家庭で出来る時代…

当初の予定では食育と食中毒に関して取り扱う予定でしだが…
あくまで最新性を重視するという事で時代の最先端を書いてみる事にしました。
(本当、発売されて1月少ししかたってない内に記事書くのって初めてな気がします(苦笑)
20年前(とはまぁものの例えで、戦後バブル中期〜後期の頃?)に比べ、調理器具、電化製品は
驚く程その価格を低下させました。(物価自体は年々値上がりしている筈なんですけどね)
その分耐久精度に関しては明らかに低下してますが、それはまた別の項目で語るとして…

皆さんは「スチームコンベクションオーブン」と言うのをご存知でしょうか?
業界人に言わせればこれが無くては話にならない。特にホテル・旅館関連に関しては和洋中
を問わず、必要不可欠のシロモノです。名前が物語る通り、スチーム=蒸気とオーブンのコンビと
いうニュアンスで解釈して頂いて構いません。その通りのものですから。普通のオーブンと
どう違うのかというと、得てしてオーブンとは庫内の温度を上げ、その中でケーキやパン、肉など
色々な物を温め、かつ中心部まで火を通すものですが、それには大きな弱点が存在しました。

大きい塊(鳥一羽丸ごとであるとか、ローストビーフのような大きな塊であるとか…短時間で
火が通りにくいもの)で中心が55度(中心部の温度は55度以上にしなくてはならないと一般的には
言われていますが余熱が入る事を嫌う人や欧米風に少しレアに仕上げる場合は52〜3度にする事もあります。)
になるのに時間がかかりすぎる点。そして火を通す意味である程度温度が上がると水分が蒸発し、
旨みが外に出やすい点、乾燥して表面がパサパサする点などがありました。料理業界ではそれらを
改善すべく、蒸気だけのオーブンや温度調節が容易に出来るオーブン等を生み出してきました。

1990年以降はホテル、旅館等の大人数に料理を提供するサーヴィスにおいてスチコンが使い
始められました。私も学生時代(1999年)頃にはスチコンはまだ高価で(50〜200万したらしぃ)
翌年においても30万を切る事は難しいとされていた。スチームだけに特化したスチームオーブン
であれば本場イタリアからの直輸入品を大手電化製品取扱店舗で見ることが出来る。
価格は15000〜25000程と手軽に導入するには問題ない価格設定となっている。(勿論容量は小さいが)

しかしこのような価格がするスチコンが何と今年になって家庭用に各メーカーから相次いで
発売された。松下電器は2002年9月、業界初の家庭用スチコンを発売した。(NE-J720)「松下の記事
(小売価格は88000、実勢価格69800で2002年、6月に発表。その後後継機として630,730らが登場する)
一つ書き忘れたが、コンビオーブンの利点は速さと柔軟性にある。
オーブン機能、スチーム機能、そして両方…この3つ(+レンジ)を使う事が可能となった。
これはオーブンを使いつつ蒸気をあて…いわば「蒸し煮」をする事が出来る。

これを科学的に解明するならば、蒸気でコーティング(包み込むの意)まま火を通す事が可能で、
保温性は勿論の事、うまみを外に逃がさず中に凝縮し、かつ今までの時間より短縮して仕上げる事が
出来る。具体的には1/3〜1/4まで時間を減らす事が出来るのだ。(1分半が30秒に!)
そんなにすごいのなら今まで以上に手入れが大変なのでは?と思われる方も多い事だろう。
しかし時代はそんな考えのさらに先をいっている。そう、オーブンを使う上で一番のネックとなるのは
庫内の掃除だ。ターンテーブルが無く、フラットになった庫内、テフロンやフッ素加工等汚れがつきにくい等
掃除し易くなっても、結局掃除はしなくてはならない…しかし今のオーブンは違う。何といっても違う!

「オーブンが自分で自分を洗ってくれるのだっ!」

単純である。洗濯機等と同じ感覚。勿論洗剤等は一切不要で、洗浄ボタン1つで勝手に洗って
くれる頼もしい機械である。(但し毎回洗わないといけない、洗浄後に庫内を吹かないと使えない
、(庫内が汚いとセンサーが反応して使用出来ない)というデメリットもあるのだが。)
これにシャープ等が提案しているインターネット経由でのレシピ増加が合体すれば一体どうなると
いうのか…ますます業界は寂れ…我々の存在意義が問われるかもしれない…
しかしそれは反面喜ばしい事なのである…消防士や救急士は出来れば活躍しない方が望ましいのだ…
我々も影で支える側であり、自炊する人が増えればそれはそれで非常に喜ばしい事なのである。
いつかお料理ロボットが出来る時代がくるだろう…だか忘れてはいけない…
どんな機械があろうとも…愛情のこもった料理にかなうものはないのだから…

2002.10.20 (2003.12.30修正・加筆) 料理編No.8
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