異物混入事件を考える…

先の雪印異物混入事件の影響か否かは知らないが…今年日本列島をかけめぐった
異物混入事件について考えようと思う。マスメディアに大きく取り上げられ、
社会現象化したが…異物混入は今年だけが多かったのではないという事実を
ご存知だろうか。では何故今年は多いように感じたのかという事について
検証してみたいと思う。まず今年のケースでは初動(対応)がまずかったと見る。
電話応対に始まりお詫びの仕方うんぬんがまずかった結果、消費者が
新聞社に持ちこんだという事からの広がりである。そして加速的に報道で報じられ、
今回の騒ぎとなった始末である。中にはつまらない報告もあったと聞く。
キャベツ1枚むしったら"アオムシ"が入っていただけで騒動になったらしい。
この世界は微生物と共に共存している社会であり、土には土の微生物、川には
川の微生物、海には海の微生物がいるのが「当たり前」なのである。

野菜に土が付いていたり虫が食べた後があるなんて今に始まった事ではないだろう。
虫なんか入ってて当然であり、特に外国産等はコスト(人件費含)等の問題で、乾燥品は
そのままほったらかしにして乾燥させるのだ。つまり虫や便等色んな異物が
入ってても何の問題も無い訳である。かといって入っててもいいのかって
のはまた論点が違うが。ようは農薬入りは体に悪い(ホルモンとか)ので食べない。
無農薬って事は虫が死なないし、虫も食べるぐらい美味しいぞと…そう割り切って考えるのは
無理だろうか。いゃ無理矢理に過ぎた"コジツケ"もしれないが。(苦笑)

先のTV番組で食品業界に対する虐めがあった。食品メーカーに対するアンケートで、
「今後2度とこのような事件が起こらないですか?」という馬鹿げた質問である。
あるメーカーは真面目な答として「最善の努力はするが100%保証出来るものではない」と述べた。
それは真理である。食品たるもの、常に空気中の菌に触れているし、自然の摂理と言う事でどうしても
取り除けないものがある。針等が入っていたなら金属探知機で探ればいいだろうという考えも確かに
存在する。だがそれは大手ですら導入していない事なのに小さいメーカーが導入する経費が
あるだろうか。入れないと駄目というなら国は何をしているのか。

有名なメーカー「ふじっこ」さんは大豆の年間使用量はそれはそれは凄い量である。その豆の取り扱いで
あるが…まず洗う。次に豆が落ちない程度の穴が空いたベルトコンベアに通す。そこで豆より小さい
小石や砂を落す訳だ。次に下から風を当てる。豆が飛ばない程度の風で、豆より軽い物を飛ばす。
それだけでもすごいのに…なんと一旦中2階の倉庫に上げてから1階のずらっと並んだ作業台の上に
すべり台のように豆を流す。何をするかと言うと、パートさんが手作業で異物がないかほじくり返すと言う…
それも小袋1つとかではなく。気の遠くなる話だ。それをしないと苦情がくると言う。これだけしている
所もあるのだ。しかし、異物混入は起きてしまう。極端な例で言うと、もっとも多い混入する異物をご存知か?
それは「毛髪」である。だから極力短くしろという自主規制があるのだが…国の法律では長かったり
染めててもそれをどうこうする権限はない。全員スキンヘッドは理想であるが、個人の意思の尊重を
重視する為、強制出来ないのだ。でも茶髪&長髪は見た目上、食品衛生共に問題があるのでやめて頂きたいが。

とどのつまり…異物混入でここまで書く程の事でも無いのだ。雪印の事件ではその後の調べで大阪工場の
パイプラインが全体的に汚く、さらに汚染した。6日に1回洗浄していたと言うが、この基本理念自体がおかしいと
専門家は指摘する。通常、コップに牛乳を注ぎ、そのまま6日間ずっと洗わずに飲むだろうか?底にかすが溜まって
飲みたいという気分にはならないと思う。大樹工場にも問題があるといえる。3時間停電しエントロドキシン(だっけ?)
が大量に増殖したといっても…30分に2倍づつしか増えていかないのだ。(最初1000として3時間後たった60000)
無い物は増えない訳で…食品衛生上毒素が入った製品は使ってはいけないという決まりになっており、これは重大な
事件である。しかもそこから福岡の工場に出荷され、そこで造られた牛乳は何の問題も無かったのだ。

つまり大阪工場の管理も悪いし(パイプラインが汚い)大樹工場も何かまだ隠してておかしい。こんな事は
言いたくはないが…世の食品(加熱物)には1g当り100000(勿論いいのも悪いのも含めて)まで細菌があって
もいいという国の基準がある。だが…100gや1kgで換算するとそれは凄い数になるので自主規制を設けて対処
しているという。デパート等では国の基準の「10分の一」以下にして漫然の対策を取っているのだ。大企業のおごり
は怖いものである。今まで再利用してきた物を飲んできた消費者の立場はどうなるのか…
再利用というのは問題外だと思うのだが…

2000.09.17 (2003.12.22修正・加筆) 戯言編No.5
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